ソニーのCinema Lineシリーズの小型ながらフルサイズセンサー搭載カメラ「FX3」の撮影設定や使い方や映像サンプルを紹介。|Shunのブログ
映像クリエイターやインディペンデント映画監督、ユーチューバーなど、ワンマンや小さなクルーで行う映像制作や映画制作に最高峰な、ちびシネマカメラ「FX3」を導入して、その素晴らしさに感銘を受けつつ撮影しています。
ここでは実際に撮影した経験と知識から、撮影方法や設定のまとめやサンプル映像等、FX3ユーザーに便利な情報をまとめます。
【FX3】「SONY FX3を動画機として使い倒す撮影方法!ソニーのシネマカメラFX3の撮影設定や使い方」もくじ
●SONY FX3とは?
●SONY FX3のピクチャープロファイル別ベースISOとセカンドISO覚書
●SONY FX3の使い方!撮影設定方法、場面による使い分け方、音声設定方法、サンプル作例。
●SONY FX3と一緒に使いたい、Eマウントおすすめレンズ!
●SONY FX3と一緒に欲しい物(リグ、カメラスタビライザー、SDカード、マイク等)
●SONY FX3を実際にプロダクションで使って、気付いた事や、素早くカメラを運営する為のヒント
●まとめ
What is an "FX3" ?
FX3はソニーのCinema LineシリーズのFX30と並ぶ小型のシネマカメラ。大きさやセンサー等はほどんどα7SIIIと同じですが、動画撮影に特化したカメラとなっています。また、新ファームウェアアップデート後、更に動画撮影に特化したメニューや機能が追加され、「シネマカメラ」としての地位を不動の物にしつつあります。
What is an "FX3" ?ピクチャープロファイル別ベースISOとセカンドISO覚書
ちびシネマカメラSONY FX3で映画、映像撮影!
<FX3の主要設定>
●ピクチャープロファイル
ピクチャープロファイルは、メニュー内「露出・色」タブの「5.カラー・トーン」の中にあります。
ピクチャープロファイルはダイナミックレンジの広さや、ポスプロでのカラーコレクションやグレーディングを重視するなら、PP9=ガンマ「SLOG3」カラーモード:S-Gamut3.Cine
色編集の時間がない場合や、編集者が別の場合など、「撮って出しでそのまま使える映像」を重視するなら映画カメラVENICEとマッチさせることもできるソニーのカラーサイエンスの結晶であるPP11=「S-Cinetone」、
「S-Cinetone」ほどドラマティックでなくて良いけど、普通に綺麗な映像を欲しいならPP1=「Standard」という選択肢もありますね。
ディテールは僕は-4にしています。デジタルシャープニングは好みにもよると思いますが、デフォルトの−7はソフト過ぎます。編集時にシャープネスをイジりたくない僕は-2から-4くらいで良いかなと思っています。0にして、編集時にソフトにするというアプローチもあると思うので、要は自分でやってみる事ですね。
●記録方式
記録方式はメニュー内「撮影」タブの「1.画質」の中にあります。
記録方式はやはり最高画質のオールイントラ「XAVC S-I 4K」が良いと思います。記録フレームレートはV90のSDカードなら24p・30p・60pが選択できるので、普通の撮影からスローモーションまでも撮影出来ます。
もし120pのスローが欲しければ、「XAVC S 4K」でも4:2:2 10bitの記録が出来るので、高価な「CFexpress Type Aカード」は殆ど必要ないかなと思います。よっぽど「オールイントラのXAVC S-I 4K 120pじゃないとダメ」な場合を除いてV90のSDカードがあれば十分です。僕はProGrade Digitalのカードを使っています。
●手ブレ補正
手ブレ補正はメニュー内「撮影」タブの「8.手ブレ補正」の所にあります。
手持ち撮影の際は「アクティブ」、DJI Ronin等のカメラスタビライザーに載せる時や三脚に載せる時は「スタンダード」にすると画角がクロップされずに広い画を撮影できるので良いと思います。「切」にして、後処理でアプリCatalyst Browseでブレを抑えるという方法は、面倒なので僕はしないです。手ブレ補正を「切」にしたり、Catalyst Browseで手間や時間がかかっても良いのなら、そもそも手ぶれ補正はない代わりに、内蔵NDフィルターのついているFX6を買った方が良いのかなと思います。FX3は手ぶれ補正があって、コンパクトで、「簡単に早く撮影が出来る」事が魅力だと思います。
<FX3のカスタム方法>
●カスタムボタン
いろんなボタンをカスタムすることは勿論出来ますが、業務機という性質上、「別のカメラマンに変わってもすぐに撮影できる状態」が欲しいので僕は基本はボタンはカスタムしたくないのですが、二つだけカスタムしているので紹介します。
①一つはカスタムしているのはシャッターボタンからもREC出来る様にしている事です。カメラを目線レベルで構えて撮影する時には本体上部のRECボタンよりシャッターの方が押しやすく、腰あたりやローアングルにカメラがあるときはRECボタンの方が押しやすいので使い分ける事ができます。メニュー内「セットアップ」の「3.操作カスタマイズ」の中に、「シャッターボタンでREC」があるので、設定してみてね。
②二つ目は、マルチセレクターに「押す間AF/MF切替」を割り当てる事です。メニュー内の「セットアップ」の「3.操作カスタマイズ」の中の「ビデオカスタム設定」の中の「上面④」を「押す間AF/MF切替」にします。これを使うことで、例えば人物を追い掛けてオートフォーカスを使っている途中に前面に街路樹や電柱などが被る前に「押す間AF/MF切替」を押してマニュアルにスッと合わせてフォーカスを人物に合わせたままにして、木や電柱などをやり過ごしたら、ボタンから指を離して再び人物にオートフォーカスで合わせるなんて事が簡単に出来ます。撮影していてこういう場合って結構あると思います。
●モードダイヤルのカスタム(©︎登録呼び出しモード)
<FX3の音声設定>
撮影で使っている僕の個人的おすすめレンズを紹介
ソニーFX3は、ズームレバーがついたシネマカメラなので、単焦点レンズでも画角を変えられる為、単焦点レンズを使うのがとても楽しくなるカメラです。ここでは、単焦点レンズや、勿論ズームレンズも含めて僕が選んだフルサイズEマウントのレンズをいくつか紹介します。
●単焦点標準レンズ!SIGMAシグマ24mmF2 DGDN Contemporary ソニーEマウント
このシグマ24mmF2は、僕が今一番お気に入りのレンズです。はっきり言って、FX3のズームレバーがあればこれ1本で殆どの撮影はカバーできると思います。シグマの新しいコンテンポラリーシリーズの中でもカッコいいメカメカしいレンズで、F2と明るいし、マニュアルとオートを切り替えるのも楽しくて簡単だし、見た目がかっこいいので撮影が楽しくなります。おススメの一本です。
●標準ズームレンズ!SIGMAシグマ28-70mm F2.8 DG DN SEマウント用
次に紹介するのは、標準ズームレンズのSIGMAシグマ28-70mm F2.8。やはり24ミリの単焦点レンズだけだと、望遠側が欲しくなる場合に活躍してくれる相棒です。コンパクトで比較的安価だし、画も流石のシグマらしいものを提供してくれる普段使いから仕事まで何でも来いの常用標準ズームです。
●望遠ズームレンズ SONY 70mm-200mmF2.8 (SEL70200GM)
最後に紹介するのは、望遠ズームレンズの70mm-200mmF2.8 (SEL70200GM2)です。F2.8と明るく、ソニー最高峰の「Gマスターレンズ」の称号にふさわしい白レンズですが、値段が高いのが難点ですね。レンタルしたり、使う頻度が多い方や、望遠ズームが仕事に必要だという人は思い切って投資するのも良し。もし、値段だけがネックになっているのならF4の70mm-200mmG (SEL70200G)が安価です。望遠ズームは高価になりがちなので、十分考えてから買いましょうね。
●望遠ズームレンズ SONY 70mm-200mmF4 (SEL70200G)
最後に紹介するのは、望遠ズームレンズの70mm-200mmF4 (SEL70200G)です。上記のF2.8と比べて少し暗いレンズですが、動画用としては性能は充分すぎです。ソニー「Gレンズ」で、F2.8のものと比べると値段が約半分になるので、望遠レンズで200mmが欲しくて
撮影に必要な周辺機器や便利グッズ紹介
ソニーFX3は、V90規格のSDカード(もしくはオールイントラの120p=XAVC S-I 4Kで撮る場合のみはCFexpress Type Aカード)、音声用のマイク(ステレオミニのビデオマイクやXLRのマイクに対応)、必要に応じてリグがあると便利に撮影出来ます。ここでは実際に僕が使っている物やレビューの良いものをピックアップして紹介します。
●追加バッテリー ソニー リチャージャブルバッテリーパック NP-FZ100
●SDカード ProGrade Digital (プログレードデジタル) 【SDXC UHS-II V90】 COBALT 300R メモリーカード 正規輸入品 (128GB)・CFexpress Type Aカード ソニー CFexpress Type Aメモリーカード CEA-G160T TOUGH 160GB
●リグ・ケージ SmallRig SONY FX3用ハーフケージキット 3278
●マイクSONY Microphone ECM-XM1・ゼンハイザーMKE 200・RODE Microphones ロードWireless GO II
●カメラスタビライザー DJI RSC 2 スタビライザー 3軸ジンバル
Twitterにも書いたけど、やはりこのカメラFX3の4K10ビットの映像を編集するのにはMacBooPro M1ProやM1Maxだと、すごく早いしプロキシすら要らないので、「FX3と新しいMacBookProM1Pro組み合わせ」は最高です。
新しい年、新しいカメラとMacBookProで作品沢山作るぜ!
— Shunsuke Teshima (@shunsukefilm) January 3, 2022
M1ProでFX3で撮ったXAVC S-I 4K 60pの4:2:2 10bitも楽々編集出来る事が分かったので、めちゃ嬉しい。#MacBookPro #M1Pro #映像制作 pic.twitter.com/EjlmtpBv5z
実際の撮影現場で感じた使えるテク
ソニーFX3を買ってすぐに運用する機会があり、お座敷で舞妓さんの舞を撮影するというものでした。普通の撮影なら、事前に打ち合わせがありダンスの動きや照明などを確認してから機材の設定やレンズ選びなど準備をして撮影をしますが、今回は現場に行ってすぐに舞が始まったので「手持ち、レンズは24mm固定」というとてもシンプルな運用をしました。ズームレバーがあったので60pで撮影して超解像度ズームとデジタルズームも利用して24mmで舞妓さんたちの素敵な舞を撮影する事が出来ました。ズームレバーはかなり使える事が分かりました。
ISOに関しては640にするか高感度ISO 12800でNDフィルターを使うかが急な撮影の際に迷いました。今回は明るいシーンだったので640固定でf2の24mmレンズで撮影が上手くいきました。室内や暗いシーンでは、やはりNDフィルターでも良いですが、可変NDのついているFX6の方が運用はしやすいかもなと思いましたね。ライトメーターを使って測ったりセットアップの時間がない撮影の際は、高感度センサーの特性を理解した上で、「目分量でシーンのISOを640かISO12800のどちらでいくかをパッと判断する撮影監督の技量」が試される所だと思います。判断には慣れが必要なので、テスト撮影をして慣れておく事が必要ですね。しかし、FX3,かなり映像が良くて最高のミニカメラだという事が分かり、小さいけどよく働く相棒となってくれそうです。
(3/27/2022加筆) FX3を使って、3ヶ月が経ちました。京都でアート展の撮影と風景の撮影、さらにアーティストインタビューという色々な撮影をしました。便利だと思ったのは、やはりズーム機能です。単焦点のレンズを付けて、綺麗な画を得つつ必要な時にズーム出来ると咄嗟の時に便利でした。NDフィルターは必須ですね。高感度で昼の撮影はかなり光を絞って撮影したい場面が沢山ありました。さらに、インタビューの撮影では、XLRを使ってショットガンマイク&RODE WIRELESS GOでピンマイクをダブルで録音して、どちらの音でも使えるようにできたので大切なインタビューの音声も安心して撮ることが出来ました。普段は全然XRLのハンドルは使いませんでしたが、きちんとしたインタビューや音を重要視する撮影時にはやはり頼もしいです。先日、沖縄に行って水族館の魚を撮影してきたのですが、びっくりするほど綺麗に撮れていて水族館に行ったみたい!とみんなが絶賛していました。やはりSONYの画作りは確実に良いものになっていると実感しています。カメラが完璧に近くなると、何を撮るか、どう演出するのかという本来のクリエイターとしての仕事に集中できて頑張り甲斐があるものです。
SONY FX3は最小最強のミニシネマカメラ!
FX3は映画監督や映像クリエイター、ユーチューバー等映像をこだわって作り込みたいクリエイターの為の最小最強のシネマカメラです。小さなクルーでの撮影やワンマンでの撮影、動画制作、映画製作を助けてくれる最高の小さな相棒となるでしょう!楽しい撮影を!
Shunでした。
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